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大人用オムツを履いて挑む カウントダウン



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活520日目を迎えた。(リンク⇨519日目の記事)


コロナ中は3年間海外旅行を我慢してセミリタイア生活を過ごしたX氏はニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウンにいくことに決めた。


それが2023年の大晦日。


前日に下見に向かい、どの辺に場所を取ればカウントダウンが楽しめるかを確認した。


そして大晦日当日、タイムズスクエアに着いたのは午前7時。すでにタイムズスクエアに入る入り口の行列があり、そこに並んだ。そして2時間待ち、午前9時には入ることができた。


ミュージシャンのコンサートができるようにステージが3つほど建てられてる。X氏は自分が決めていた場所にあったステージ前へと走った。


最前列の場所を押さえたX氏は、あとはカウントダウンを待つだけだった。


カウントダウンまで15時間。


一度出ると戻れないタイムズスクエア。簡易トイレはない。


X氏はトイレに行かない覚悟で、大人用オムツを履いてカウントダウンを待つ。


途中、なるべく水分は取らず、食事も少なめにして、最終的にはオムツも一回も利用せずに入場待ちの2時間を足してトータル17時間トイレに行かずにカウントダウンを待ち続けることができた。


日付が変わると同時にタイムズスクエアには紙吹雪が舞い、それは20分程度続く。


大量の紙吹雪はどんどんコンクリートの地面に積もっていき、足が埋まるぐらいまでになった。


その一枚一枚にはネットで世界中から集められた個人の願い事が書いてあり、新しい年を迎えたこの瞬間にニューヨークの街の中にばら撒かれる。


X氏は映像は携帯に保存してあり、嬉しそうに見せてくれた。


X氏にとってはいい思い出となって、しばらくはその映像を見返して今年は過ごすのだろう。


(終)


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