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Writer's pictureharuukjp

60歳からの大学生




小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活668日目を迎えた。(リンク⇨667日目の記事)


戦後を生き抜いたXさんのお父さんは、学生時代に大学へ進学するお金がなかった。しかし、独学で身を立て、仕事で得た収入を使って名門大学へ進学する道を自ら切り開いた。その努力と知性が、彼を大企業で成功させ、忙しい毎日を送らせた。スポーツや趣味に時間を割く余裕はほとんどなかったが、唯一、日本の民族文化を学ぶことだけは彼の生涯の関心事だった。


定年退職後、彼には初めてまとまった自由な時間が訪れた。そして驚くべきことに、再び日本を代表する名門大学に挑戦することを決意する。何十年も若い、20歳前後の学生たちと一緒に授業を受け、無事4年間通い卒業した。「勉強することが好き」という純粋な気持ちが、彼をまたキャンパスに導いたのだ。


その後、彼は自らの知識を活かし、民族文化を教えるボランティア活動に精力的に参加した。彼にとって、文化を後世に伝えることはただの義務ではなく、生きる喜びでもあった。80歳で亡くなるまでの20年間、彼は再び学び、教えることに情熱を注ぎ続けた。大学入学からボランティア活動まで、彼の退職後の時間は実に充実していた。


Xさんのお父さんの生き方から学べることは多い。年齢にリミットを設けず、再び大学に通うこともできる。大切なのは、自分の「好きなこと」に時間を注ぎ込むことだ。それが生きる上での豊かさにつながる。Xさんもまた、お父さんを見習って、自らの人生設計を考えているのだという。


この話を聞いていると、人生における「挑戦」や「学び」というものは決して終わらないものなのだと、改めて感じる。


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