孫に連れてってもらうヨーロッパ旅行 旅を続ける人
- haruukjp
- Mar 28
- 2 min read

「今回は娘さんとお二人での旅行ですか?」
私がそう尋ねると、後期高齢者の女性は少し笑みを浮かべて答えた。
「孫が去年ロンドンに来てすごくよかったって言うんですよ。それで、『おばあちゃんも行ってきなよ』って勧められて、今回は娘と来ることにしました。ストーンヘンジとか、そういう遺跡にずっと興味があったんです」
彼女の目は少年のように輝いていた。好奇心というのは年齢とは関係ないのかもしれない。
そして彼女は続けた。
「去年はね、孫と二人でスロベニアとクロアチアに行ったんですよ」
「え、二人で?」
「ええ、孫が『おばあちゃん、一緒に行こう!』って言うもんだから」
なんと羨ましい話だろう、と私は思った。
孫に「一緒に旅行しよう」なんて言われる祖母が、世の中にどれほどいるだろうか。普通は「若い子の邪魔になっちゃうから」と遠慮するものだし、孫のほうも「おばあちゃんにはちょっときついかも」と気を遣うだろう。それなのに、この家族は当たり前のように世代を超えて旅をしている。
彼女はストーンヘンジでも、博物館の展示をじっくり見て、実際の巨石を前に熱心に写真を撮っていた。何かを学ぶこと、新しいものを知ることに対して、驚くほど真剣だった。
「80歳を過ぎても、まだまだ旅を続けたいんです」
そう言って、彼女は小さく笑った。ちなみにこの方、私が行ってみたいところのトップ3マチュピチュにも行って山を登ったと言った。
私も、そんなふうに歳を取りたいものだ。孫に「一緒に行こうよ」と誘われるような、そんな祖父になれたら、人生はずいぶん豊かになる気がする。
それまでに、もう少し旅をしておかなければならない。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から848日目を迎えた。(リンク⇨847日目の記事)』
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