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クリスマスカードと6ヶ月の旅。イギリスの郵便事情。クリスマスカードを海外に送ったら. . . 

Writer's picture: haruukjpharuukjp


クリスマスが近づくと、日本ではKFCのフライドチキンを予約するかどうかでそわそわする季節だ。一方、イギリスではクリスマスカードがあちこちで飛び交う。これらは日本の年賀状に相当する存在で、12月の風物詩ともいえる。小学校では子どもたちがクラスメイト全員に向けて一言添えたクリスマスカードを交換する。それぞれのカードは家のリビングルームに飾られ、部屋を暖かい雰囲気で包み込む。


隣近所では、カードを直接ポストに届けるのが通例だ。少し遠方でも、車で30分圏内なら直接持っていく人もいる。ただし、玄関のポストにひっそりと入れていくので、特に挨拶を交わすこともない。それがまた英国らしい控えめな習慣だ。

海外に住む私たち移民にとっては、少し勝手が違う。離れた家族や友人にカードを送るには、郵便局を頼るほかない。そして、送り先が日本となると、それは一種の冒険になる。


昨年の2023年のクリスマスシーズン、私はこの英国的な習慣を取り入れて日本の家族にクリスマスカードを送ることにした。私の家族は年賀状文化の中で生きてきたので、クリスマスカードを交換した経験はない。だが、イギリスで暮らす私にとって、この時期に何もしないのは奇妙に感じられたのだ。クリスマス直前の12月20日にカードを投函した。もちろん、この時点で間に合わないだろうという予感はあった。それでも、せめて新年のうちに届けばいいと思っていた。


しかし、私の予測は甘かった。年末も年始も何の連絡もないまま、時は流れていった。そして、すっかり忘れた頃、今年の6月になって兄からメッセージが届いた。


「昨日、クリスマスカードが届いたよ」


6ヶ月もかけて、カードはようやく日本にたどり着いたのだ。どんなルートをたどったのか、その間どこで何をしていたのか、まったくの謎だった。


2024年は、同じ失敗を繰り返さないと決めた。今月の12月6日、私はクリスマスカードを日本に向けて早めに送り出した。国際郵便の料金は一律2.8ポンド。アメリカでも日本でも、ヨーロッパでも同じだというのは、なんとも不思議な統一感だ。

結果は見事だった。1週間ほどでカードは届き、両親から早速お礼の電話をもらった。去年のような長い旅路を経ることなく、カードはクリスマス前に日本の家族のもとに辿り着いたのだ。


しかし、昨年の「6ヶ月カード」は今でも私の心に引っかかっている。そのカードは、一体どこをさまよっていたのだろう?郵便局で紛れたのか、それとも誰かの手を渡り歩いたのか。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から752日目を迎えた。(リンク⇨751日目の記事)』


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