top of page

雨が降らず、日が差し、地震も台風もないイギリスは住みやすい?移民が増える理由

  • Writer: haruukjp
    haruukjp
  • Nov 26, 2024
  • 3 min read


イギリスと聞けば、多くの人がまず思い浮かべるのは、雨と灰色の空だろう。そのイメージは絵葉書のように定着している。けれど、実際に数字を眺めてみると、その印象は少しだけ修正が必要だということに気づかされる。


例えば、イギリスの年間日照時間は平均1350時間だ。これを1日あたりに換算すると約3.7時間になる。一方、日本では平均1680時間、1日約4.6時間だ。差はわずか1時間程度だが、その数字以上に季節ごとの違いがイギリスでは大きい。夏至の日には日没まで16時間もある一方、冬至の日はわずか8時間だ。そのため、イギリスの年間日照時間の多くは4月から9月の夏の間に集中し、冬になると空は一層暗く、重く感じられる。


降水量についても、日本の東京では年間約1800ミリの雨が降るのに対し、イギリスの降水量は800~1400ミリ程度。意外にも、数字だけを見れば日本の方が雨が多い。にもかかわらず、イギリスの雨が特に記憶に残るのは、おそらく頻繁に小雨が降るというその性質のせいだろう。濡れそぼるほどの土砂降りではなく、傘をさすか迷う程度の霧雨。それがこの国の天気の一部として、日常に静かに溶け込んでいる。


しかし、雨や日照の問題よりも、イギリスに暮らす人々にとって真の課題は「冬」だ。11月から2月にかけての日照時間は短く、日中でも薄暗い空が広がる。それはメンタルヘルスにも影響を及ぼしかねない。だからこそ、この時期をどう過ごすかが生活の鍵となる。お酒に頼りすぎるのは禁物だ。代わりに、紅茶を手に取って身体を温め、趣味や楽しみを見つけることが重要だ。編み物でも読書でも散歩でもいい。自分だけの時間を大切にすることが、長い冬を乗り越えるための秘訣となる。


もちろん、イギリスの暮らしには他にも独特の特徴がある。この国には地震がない。何百年も前に建てられた石造りの建物がそのまま残り、古き良き時代を感じさせてくれる。そして、北大西洋の暖流と偏西風のおかげで、北海道よりも高緯度に位置しながらも比較的温暖な気候を享受している。


食文化もまた、イギリスの一つの課題だといわれることが多い。けれど、最近ではスーパーの棚に国際色豊かな食材が並ぶようになり、日本食を作るための材料も比較的簡単に手に入る。ちょっとした工夫で日本の味を再現することも可能だ。


それでも、イギリスでの生活が決して楽とは言えないのは確かだ。コロナ禍で職を失い、物価の上昇が続く中、多くの人々が経済的な厳しさと向き合っている。それでも、この国には人を引き寄せる魅力があるのだろう。長い歴史と文化、安定した社会、そしてその中で懸命に生き抜く移民たちの姿。それらが絡み合い、この国に独自の味わいを与えている。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から735日目を迎えた。(リンク⇨734日目の記事)』


最近の記事




おすすめの記事



Comments


United Kingdom

  • Twitter

©2022 by 独り歩き浪人の詩 はる HARU. Proudly created with Wix.com

bottom of page
PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 最高の人生へ
にほんブログ村