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赤ん坊 もう育てたくない



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活215日目を迎えた。(リンク⇨214日目の記事


今日はイクメンの友人が2歳になる息子を連れて我が家に遊びにきた。平日休みの仕事を持つ彼と無職の私が火曜日の昼間に会った。


大人2人だったら30度に近い真夏日の今日はそのままパブに行ったはずだが、今回はそこに2歳の赤ん坊が加わった。


赤ん坊が加わると、まず移動の速さが遅くなる。駅のホームではエレベーターを使って乳母車押して運び、駐車場ではそれを折りたたんで車に乗せて、やっとの思いで移動ができるようになる。


向かった行き先は牧場。そこには羊、やぎ、うし、アヒル、ぶた、ウマ、うさぎ、にわとりなどが飼ってあって、子供にとっては興奮する場所だった。


長旅で電車と車の移動に飽き出した2歳児の注意を引こうと連れてきた牧場。その赤ん坊は興奮気味に動物たちに餌を与えていたが、その手がぺろっと羊に舐められるのはあまり嬉しくなかったようだ。


赤ん坊へのつかみはオッケーで、あとは我が家に連れてきて庭で子供用プールに触れさせたり、音楽を流して踊ったり、猫と戯れさせたりと楽しんでいたようだった。


私が友人に昼ごはんを差し出すと、ルーティンとなっている昼寝の時間と重なったので、すぐに寝かしつけようとする彼は、赤ん坊を抱っこしていて、そのご飯を食べるチャンスがなかなか訪れなかった。


すると父親がオムツを調べてみると大をしていた。


オムツ交換が必要となり、床に赤ん坊を置いてオムツ交換。その後も寝かしつけるまで苦戦していろんな策を練りながら、最後は睡眠用の音楽を聴かせ無事就寝した。


彼が自分の昼食を口にしたのは私がそれを差し出してから30分経ってからだった。


その友人の様子を見ていると、自分も今の中学生と小学生の子供たちが赤ん坊の頃は、何度もこうのように自由な時間を遮られて、自分の好きなように行動ができない時間があったなと思い出した。


特に睡眠に関しては、夜に起こされることも何度もあり、睡眠を奪われて仕事が手につかない時もあった。


大きく成長した子供たちは今は私の手を焼くこともなく自分でなんでもできるようになった。


私が、また赤ん坊を育てろと言われても、私にはそれができるとは思えない。もう一度その道を通ることはしたくない。


私は、本日の友人の姿を見て、この辛い道はもう通り過ぎた優越感を味わった気分だった。あの頃は本当にきつかったけど、それも時間が解決してくれたんだと自分を誇りにも思えた。


今度赤ん坊を育てる時は、将来孫ができた時。その頃にはまた考え方が変わっているかもしれない。


(終)


〜はる〜


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