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Writer's pictureharuukjp

冬時間始まったけど、冬時間いる?



10月の最終週の日曜日に冬時間が始まるたび、イギリスの日常に微妙な変化が訪れる。毎年10月の終わりになると、時計の針がひとつ巻き戻され、昨日の朝8時が、今日からは7時になる。私は朝7時に起きると、もう太陽が顔を出し、外は優しい光に包まれている。けれどその光が、かすかに心を締めつけるような気がしてくる。


朝の明るさには特有のぬくもりがある一方で、冬時間の本当の問題は、夕方にある。昨日まで午後5時40分に沈んでいた夕日は、冬時間の今日からは午後4時40分で地平線に消える。つまり、たとえばオフィスで5時に仕事を終えても、外はもうすっかり夜の景色だ。私にとっては、朝が明るいことよりも、夕方にもう少し日が残っているほうが一日がずっと充実して感じられる。


そして、冬至まであと2ヶ月。日が短くなっていくこの季節、夕方の日の入りはさらに早まり、12月には午後4時前に太陽が沈んでしまう。暗くなる時間がどんどん迫ってくるのを感じると、ふと人間の時間と自然の時間がずれていくような奇妙な気分になる。


そもそも、イギリスが1918年から導入したこの「デイライト・セービング・タイム」は、夏の日照を有効に使うための工夫だそうだ。だが、もし本当に「日照時間を守る」のであれば、冬の日照をもう少し確保してくれる方がずっとありがたいのに、と私は思う。


夕方4時に日が沈んでしまうという現実は、やはり何度経験しても慣れない。そしてこうして、また暗黒の冬が静かに、確実にイギリスにやってくるのだ。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から706日目を迎えた。(リンク⇨705日目の記事)』


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