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Writer's pictureharuukjp

お店に入っても買わせてくれない店



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活304日目を迎えた。(リンク⇨303日目の記事)


ブランド品が好きな日本人の友達がロンドンに来て、買い物に付き合わされた。


滅多に来ないロンドンのブランド店が並ぶニューボンドストリート。そこを歩く人たちは観光客らしき人ばかりで、ブランド商品を買うためにわざわざこの通りにやってくるような感じの人ばかりだった。来ている服や、身につけているアクセサリーが、既にブランド品で、ロンドンに来て、今日は自分のコレクションに一品何か加えたいという期待に満ち溢れた顔をして歩いている。


私には手が出ないので、店を覗きながら友達を待っていると、エルメスのお店に入っていた友達が困った顔で出てきた。


どうしたのか尋ねてみると. . .


「買わせてくれないの」


はじめは何を言っているのか訳がわからなかった。お店に入って買いたい商品があって、それをレジまで持っていけば買えるのではないかと思っていたら、なんと、エルメスでは、まずお店に入ると店員にエスコートをしてもらわないといけない。


このエスコートがあると、商品を選べて、手にとって持ったり、欲しければ一緒にレジまで行って商品が購入できる。


しかし、エスコートされない人は、店内を見て回るだけで、欲しい商品があってもショーケースなどからは取ってもらえず、そのまま店を出ることになる。


そして店の入り口には、エスコートしてもらうための大行列ができている。


店内ではルールを知らず入り込んできたお客様が、エスコートされているお客様の間に入って、店員に話しかけようとして、お客同士の言い争いなどが起きていた。


高級でそんなに売れるものではないと思いきや、この人気。売り切れの商品も多く、なかなか手に入らないものもあるとか。


お金持ちで、ブランド品の購入で楽しんでいる人はこんなにもたくさんいるんだなと感心した。


店側の上から目線で、買わない客には接客はしないといったこの態度にも驚いた。


(終)


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