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車検を巡る小さな闘い 返金ができない車ビジネス



先日、車検を通じて少々面倒な出来事に巻き込まれた。イギリスで暮らしていると、こういう理不尽な状況に直面することは珍しくない。特に車の修理屋と話すときは、彼らの言葉の裏に隠された商売根性を見抜かなければならない。


事の発端は、シートベルトのアラームセンサーがうまく作動していないという指摘だった。車検を通すには直さなければいけないと修理屋は言う。しかし、後から調べてみると、実はイギリスの車検ではシートベルトのアラームセンサーの作動状況は必須ではないということが分かった。そうは言っても、修理屋は「これは修理が必要だ」と勝手に判断し、部品を注文した。


1週間後、そのバックルが届いたと連絡があった。車を修理屋に持ち込む準備をしていたところ、ふと気づいた。シートベルトのアラートが、何の前触れもなく正常に作動するようになっていたのだ。どうやら、接触不良が自然と解消したらしい。私の中で、「修理そのものが不要」という結論が導き出された。


修理屋に車を持ち込んだ際、状況を説明した。

「アラートが直ったので、修理は必要ありません。部品も使っていないので、返金してほしい」と。

だが、修理屋の答えは冷たかった。「すでにバックルを業者に注文し、届いているので返金はできません」との一点張りだ。

私は粘り強く交渉を試みた。「イギリスでは商品を購入後14日以内ならクーリングオフの権利があるはず。注文をキャンセルできるのでは?」

修理屋は首を横に振りながら言った。「商品が届いてしまったら、それは適用外です」


結果として、私は使いもしないバックルのために、5万1000円相当の修理代を支払わざるを得なくなった。車は正常に動いているし、修理の必要もないのに、この金額を負担するのはどう考えても納得がいかない。だが、もし支払いを拒んだら車検が通らないという現実もあった。


このような事態は、特にイギリスでは珍しいことではない。サービス業者は顧客を「素人」とみなし、何かと理由をつけて修理を正当化しようとする。その背景には彼らの利益追求が透けて見える。

今回、私は妥協して支払いを済ませたが、これで終わりにするつもりはない。不服がある場合、独立したインスペクターに相談することができる。そうすれば、少なくとも修理屋の主張の正当性を外部の視点で検証してもらえるだろう。


イギリスで車を所有することは便利な反面、こういった小さなトラブルがつきものだ。しかし、それもまた、この国での生活の一部なのだと思う。たまに

そう、この国では、ほんの小さな闘いでさえも、生活を形作る重要なピースなのだから。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から730日目を迎えた。(リンク⇨729日目の記事)』


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