12月21日、イギリスでは冬至を迎えた。この日、太陽が空に顔を出している時間はわずか7時間49分。太陽が低く、短い一日の終わりがいっそう濃く感じられる日だ。ストーンヘンジでは特別なイベントが行われ、普段は近寄れない石の周囲に人々が集まり、日の出を待ち望む。しかし、冬のイギリスらしく、空は曇りがちで、昨日も日の出の瞬間は霧の向こうに隠れてしまった。
とはいえ、冬至のストーンヘンジの本当の見どころは日の入りだ。ストーンサークルの向こう側、ヒールストーンと呼ばれる石からサークルの中心地をつなぐと、沈む太陽が一直線に光を放つ。その光景には、何か古代からの祝福が込められているように思える。
奇跡のような晴れ間
昨日、私はたまたまストーンヘンジの近くを車で走っていた。朝から雨がしとしと降り続いていたが、午後3時過ぎ、突然空が割れるように晴れ渡った。あまりの変化に驚きつつも、「これは何かの力だろうか?」と半ば本気で思ったほどだ。冬至という特別な日、ストーンヘンジの石たちが天候を操ったとしてもおかしくない、そんな幻想に囚われてしまった。
この日の夕方、もしかしたらストーンヘンジで日の入りが見られたのかもしれない。それは確認していないが、この突如訪れた晴天だけでも、十分に神秘的な気分を味わうには足りていた。
イギリスの冬至とクリスマスシーズン
冬至が過ぎれば、イギリスは完全にクリスマスモードだ。学校は冬休みに入り、大人たちは友人や同僚とクリスマスパーティーを楽しむ。日本でいうお正月のような、家族と過ごす日を前に、人々は賑やかな集まりを重ねていく。
私も近所のクリスマスパーティーに招かれた。パーティーの中で、イギリス人たちがどんな話をするのか興味津々だった。参加者は私より年上が多く、自然と男性陣が集まって話す内容は「金」と「健康」のことばかり。年金や手術の経験、今後の人生設計について熱心に語り合う。日本でもよく聞くテーマであり、こうした話題が人々を繋いでいるのだと改めて実感した。
「年をとってからも楽しめるスポーツは何か」「一度はスーパーカーを所有してみたい」など、夢と現実が交錯する会話もまた、どこか世界共通のものだ。
夜が更けて
パーティーは夜遅くまで続いた。私も久しぶりに泥酔しながら、それでも気分は高揚していた。近所の人たちが楽しそうに笑い、話す姿を見ていると、2024年も無事に終わりそうだという安堵が胸に広がる。そして、この何気ない光景にこそ、冬至のもたらす希望のようなものがあるのだと感じた。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から760日目を迎えた。(リンク⇨759日目の記事)』
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