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生まれ変わったらもう一度国際結婚をしますか?

Writer's picture: haruukjpharuukjp


結婚生活とは、子供が生まれるとその多くが「子育て」という目的のために再構築されるものだ。夫婦は日々の忙しさに追われ、互いに助け合いながら、子供の成長を支える。けれども、子供がある程度大きくなれば、ふと立ち止まり、夫婦関係そのものを見直す時期がやってくる。

「私たちはこれでいいのか?」「結婚したことは幸せだったのか?」という問いが、静かに胸の中に浮かび上がる。


私の周囲には、国際結婚をしたカップルがいる。つまり、お互いの国籍や言語、文化が異なる相手と人間関係を深め、その結果として結婚に至った人たちだ。文化の違い、言葉の違い――それだけでも十分なハードルだが、さらに性別の違いという、より深い考え方の違いが加わる。それらを乗り越えるのは容易なことではない。

それでも彼らは、未知の世界に身を投じるようにその結婚を選び取る。彼らにとって結婚とは、自分の国で育まれた「理想の結婚像」を一度手放し、異文化の中で新しい意味を見つけていく作業だ。


先日、国際結婚を20年以上続けているカップルたちに、もし生まれ変わったらまた国際結婚を選ぶかと聞いてみた。答えは、案外複雑だった。「自分の国で暮らしたい」という理由で「しない」と答える人もいれば、特にそうした望みがなく「別に構わない」と答える人もいた。

興味深かったのは、「国際結婚だから特別難しい」という話ではなく、議論が次第に「今の相手と再び結婚するか」というテーマに移ったことだ。つまり、相手との関係性をどう築いてきたか、そして今の結婚生活がどれだけ自分を満たしているか。それが本質なのだ。


結局のところ、結婚生活の成否は「相手の気持ちをどれだけ理解できるか」に尽きる。だがそれは、同じ国の人間同士であっても簡単なことではない。相手の心が見えない瞬間は、国際結婚に限らず、どんな結婚生活にも訪れるものだ。

そう考えれば、「生まれ変わったらもう一度国際結婚をするか?」という問い自体が、どこか不毛に思えてくる。大切なのは、今の人生で何をどう積み重ねるかということだ。目の前にある日々にしっかりと向き合い、互いに助け合うこと。それが結婚生活の醍醐味であり、真の価値なのだと思う。


結婚とは、もともと多くの疑問と少しの答えが入り混じるものだ。国際結婚であれ、そうでないものであれ、それは同じだ。そしてその疑問の中で、ふたりがどのように関係を築いていくかがすべてを決める。

目の前の一日一日を大切に生きていくこと。それが、結婚というものの一番の核心ではないだろうか。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から748日目を迎えた。(リンク⇨747日目の記事)』


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