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犬が欲しいけど移民には飼えない



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活512日目を迎えた。(リンク⇨511日目の記事)


これだけ長い間仕事が見つからないと、移民に対する風当たりを感じ、悲観的になってきている。ブレグジットでEUを離脱したイギリスは自国民を守る義務があり、外からやってくる移民には厳しくなってきているのかもしれない。


移民につき物なのが自国にいる家族との関係だ。20年前に比べるとコミュニケーションツールの発展で、ビデオ電話を通して遠く離れた家族の顔を見ながら話すことはできるようになった。しかし、バーチャルの世界だけで暮らすには、まだ人間の物理的体力が対応できていない。


やはり人間というのは他者と会うことによって自分を作り上げる物であり、外部との物理的接触避けながら一人で生きていくことは難しい。


その中で自国の自分の家族というものは非常に重要な要素であり、その家族に会うといくことはとても大切なのである。


イギリスに移住してきてもう20年以上が経つが、猫を持つ我が家にとっては、渡航するときに家に置き去りにしなければいけないという辛い悩みがあった。隣人に面倒を見ることを頼むことはできるが、渡航先でも常に猫の様子が気になるものである。


子供ができると必ず一度は交わす会話で、「犬を飼う?飼わない?」という議論がなされる。我が家もその一つだ。それは可愛くて家族を癒してくれる。しかし、ペットホテルに預けるのは可哀想だし、費用もかかる。そうすると海外への渡航は難しくなり、いよいよ本格的にイギリスの地へ足をつけて動けなくなる。


また将来のことを考えると、犬が死んだときの悲しみに耐えられるかもわからない。


私にはその勇気はない。


移民に犬を飼う勇気があるか。私にはそれがないということで犬は飼わないことにしている。


(終)


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