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「サキ?、サケ?、日本酒は危険!」と声をあげる人たち




小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活422日目を迎えた。(リンク⇨421日目の記事)


キッチンには大量のビール、ワイン、スパークリングワインが揃っていて、酒飲みが大勢集まる隣人の誕生会に呼ばれた。


年齢は50歳から70歳ぐらいの人たち。


みんな、人の家だが自由に冷蔵庫を開け、自分の飲みたいお酒を飲んでいた。


私もあまり飲まないようにしていたが、結局は大量のアルコールを摂取することになった。酒飲みの場で遠慮は許されない。みんなお互いに酒を注ぎ合い、断らないのが礼儀である。


そこで交わされる話しの内容は、最初は親密な個人の話などに聞き入って、お互いがセラピストみたくなっているが、だんだん酔っ払ってくるとみんなに共通な話題を、大きな声で話してくる。


やはり、どんなお酒が好きかが共通の話題になり、日本人の私の顔を見ると「日本のお酒」の話になる。そして全員で声を合わせて「日本のアルコールなんだっけ?サキ?サケ?(イギリス人はSakeの発音が日本人のようにはできない)。あれは(アルコールが強くて)危険だ!」と話すが、正確にはアルコール度が15%程度で、ワインとそんなに変わらない。しかしイギリス人の中で勘違いしている人が多く、日本酒を飲むとすぐに酔っ払って危ない飲み物のようなイメージがついている。


「ウィスキー、ジン、ウォッカなどの方がよっぽどアルコール度が強く危険なのに」と私は思いながら、日本酒はそんなに危険な飲み物ではないよって教えてあげる。


日本酒は食事をしながら、特に寿司や刺身と一緒に飲むと美味いが、その方法で日本酒を嗜むことはイギリス人にとってはハードルが高い。そして日本以外では味わうことのできない日本酒の独特の味がアルコール度が強いお酒だと勘違いして、それをストレートで飲むことによって「サケは危険な飲み物」と解釈しているのだろう。


次のパーティーがあれば美味しい日本酒を持ってきて、近所のイギリス人たちに飲ませたい。


(終)


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