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過去を全て捨て、70歳で地元を離れ、移住



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活504日目を迎えた。(リンク⇨503日目の記事)


コロナ禍には在宅ワークが進み、会社に行かなくなったX氏。


東京都内の3階建ての家に住むX氏の奥様は階段に登るのが苦手。


小学校3年生になる息子のクラスは総組み替えで2年生までの友達とは別々になり、転校するには問題ないとX氏は判断した。


そして、子供がまだ小さいということで、X氏は思い切って引っ越しを試みた。


東京都内に住んでいたが、1年間物件を色々探した結果、神奈川県逗子市の海の見えるマンションに引っ越すこととなった。


人が混雑する東京都内から一気に人口5万人程度の街へと引っ越した。


横須賀のアメリカ軍基地が近くて、マンションの前の立ち飲み屋ではアメリカ人が遅くまで大きな声で話しているのが聞こえる。


下の子はこの春小学生でおばあちゃんに10万もするランドセルを買ってもらった。


そんなX氏の新生活が逗子市で始まったのである。


そこにやってきたのがX氏のご両親。なんと埼玉の大宮に長年住んでいたところを全て売り払い、孫のいる逗子市まで引っ越してきたのである。70歳の決断である。


高齢になると、変化を嫌う人が多く、育った地元から離れるのはなかなか難しいものだ。ましてや新しいコミュニティーでまた1から始めなければならないのは体力がいる。


しかし、孫がいるという理由で今までの過去を捨てて移住してくる祖父母の愛はなかなかのものがある。


こういった場合に、いつも自分と照らし合わせて考えるのだが、もし自分が70歳になってロンドンから他の場所へと引越すると考えると、想像がつかない。でも自分の子供たちが移住して孫もいたら、考えも変わって、自分もそれを追いかけるのだろうか。


(終)


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