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一生で一回のアイスクリーム

小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活317日目を迎えた。(リンク⇨316日目の記事)


最近、娘の中で日本食ブームが起きている。


2021年秋、オミクロンが発生する前に娘と2人で日本へ帰国したら3日間のホテル監禁生活を強いられた。


ドアの外には一歩も出てはいけず、1日3回の弁当をもらう時だけドアを開けてよかった。


密室の72時間生活で娘の気が狂い始めたが、それにもまして、大人向けの弁当に全く興味を持たず、食欲がなくなった。


そんな娘が可哀想だと思いなんとか好きな食べ物が手に入らないかと試行錯誤した結果、ホテルにあるカップラーメンを手に入れた。


娘はその時の美味しいカップラーメンの味を覚えており、最近になって、またカップラーメンが食べたいと言い出した。


添加物使用の食品はなるべく避けている我が家でカップラーメンはそれ以来食べていなかった。しかし娘がどうしても食べたいというので、チャイニーズショップに行き日本コーナーに置いてあるカップラーメンを買ってきて食べさせてあげた。


娘はお湯を入れて、腕時計でしっかりと3分はかり、普段は使わない箸を取り出して日本らしさを醸し出していた。


もちろん完食。嬉しそうだった。


もう一つ、娘が食べたいもの、それは雪見だいふくだった。日本で食べたもっちりとした雪見だいふくが美味しくて、また食べてみたいと言い出した。


イギリスには雪見だいふくはないが、それに似たアイスクリームがあるという。それが「リトルムーン」だ。


早速ウェイトローズに行って買ってみた。値段は団子サイズの小さなお餅アイスクリームが6個入って£5。日本円で900円以上。自分の人生、スーパーで買うアイスクリームに500円以上かけたことがない。


しかし今回は娘の願いというのと、一生に一度の経験として買ってみるのもいいかなと購入を決意した。


家族みんなで食べてみると、味と食感は申し分んない。しかし値段が...


娘は雪見だいふくにたどり着けた喜びで、満面の笑みだった。


私はその笑顔を見て幸せを感じていた。


日曜日の昼下がりに訪れたわずかな幸せ。


しかしこの値段からして、2度は買わないと思う。


(終)


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