小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活651日目を迎えた。(リンク⇨650日目の記事)
イギリスに住んでいると、日本が恋しくなることがある。帰りたい、帰りたいと頭の中で繰り返していると、この国が嫌いになりそうになる瞬間もある。でも、立ち止まって、イギリスの良いところをじっくりと見つめてみると、案外悪くない場所だと思えてくるから不思議だ。
たとえば、日本の真夏の暑さを思い出してみよう。気温は40度近くまで上がり、まるで生きるか死ぬかの問題のようだ。そして、地震はいつ起こるかわからず、常にその恐怖と隣り合わせの生活。気温30度と震度5の地震なんて、慣れてしまえば驚くことでもなくなるのだろうけど、冷静に考えればそれもかなりのストレスだ。特に、30度を超える暑さが2ヶ月も続くとか、震度5が何ヶ月かに一度やってくる生活というのは、イギリスでの生活に慣れた今となっては、まさに脅威に感じる。
一方で、イギリスには地震がない。夏も30度を超える日はせいぜい1週間程度だし、冬もロンドンなら氷点下になることは少ない。これらを考えれば、イギリスの気候はずっと過ごしやすいと言えるかもしれない。
もちろん、イギリスにも不便なことはある。例えば食べ物だ。イギリス料理は昔から「まずい」と噂されてきたが、実際にイギリス料理と呼べるものはほとんどない。それでも、パブで食べるモダンブリティッシュのロースト料理なんかは、そこそこ美味しいと言える。最近では、世界中から多国籍の料理が急速にイギリスに入ってきていて、そのおかげで食事の選択肢も豊富になっている。コロナ禍で美味しくない店はどんどん潰れていったという事実も、結果的には食事の質を高めることに貢献しているのかもしれない。
イギリスで辛いと感じるのは、冬の短い日照時間だろう。11月から2月にかけて、ほとんど太陽を見ないまま過ごす日々は、まるで長いトンネルの中にいるようだ。この暗い4ヶ月をどうにかして生き延びることが、イギリス生活を攻略する鍵だと僕は思っている。
これさえ乗り越えれば、イギリスもそう悪い場所ではない。今は物価の高さが問題になっているけれど、これもいずれ解消されることを願うばかりだ。
最近では、意外とイギリスっていいところかもしれない、と思うことが増えてきた。こうして、少しずつこの国に馴染んでいくのだろう。私にとって、イギリスは、なかなか手強いけれど、どこか愛おしい存在になりつつあるのかもしれない。
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