インド人を知る 2 インド人の生活と文化 – 驚きの実態とは?
- haruukjp
- Mar 30
- 5 min read

世界の人口のおよそ5〜6人に1人がインド人。そして、ロンドンではイギリス人よりもインド人の方が多くの不動産を所有している。さらには、インド系のリシ・スナク氏がイギリスの首相に選ばれたことも話題となった。イギリスとインドの関係は歴史的にも深く、今なお変化を続けている。
そんなインド人の生活や文化について、昨日のブログで紹介したYouTube動画をもとに、さらに詳しくまとめていきたい。
インドの食文化 – カレーの概念が違う?
インドでは「カレー」とは「おかず」という意味で使われる。そのため、インドでカレーを注文するときは「豆のカレー」なら「ダル(豆)」と具体的に伝える必要がある。
肉料理に関しては、基本的に鶏肉が主流で、豚肉や牛肉はほとんど見かけない。これは、ヒンドゥー教の教えで牛肉の摂取が禁止されていること、またイスラム教では豚肉を食べないことが大きく関係している。
また、インドではベジタリアンの割合が非常に高い。輪廻転生の考え方が根付いており、動物が人間に生まれ変わる可能性があるとされているため、動物を殺すことに抵抗を持つ人が多い。その結果、インド人の約3分の1がベジタリアンといわれている。世界的に有名な「タンドリーチキン」などの肉料理も、実はインド国内ではあまり食べられていないのが実情だ。
インドの農業大国ぶり
インドは約8億人が農業に従事している農業大国である。米と小麦の生産量は世界第2位で、1位は中国。日本とは比べものにならない規模の農業が展開されている。
インドの食事マナー – 左手は不浄?
インド人は基本的に手でカレーを食べる。ただし、使っていいのは右手だけ。ヒンドゥー教では「左手は不浄」とされているため、食事や握手、お金の受け渡しもすべて右手で行う。一方、左手が許されるのはトイレのときのみ。インドではトイレットペーパーの代わりに左手を使って水で洗い、その後しっかり手を洗う習慣がある。つまり、「左手でお尻を拭き、右手で食事をする」ことで食中毒を防ぐという理論が成り立っている。
インドのカレー、日本のカレーとは別物
インドのカレーはスパイスが豊富で香り高いものの、日本で食べるインドカレーとは大きく異なる。インドのカレーにはコクがなく、スープに近いピリピリとした辛さが特徴。「インドに来たら本場のカレーが食べられる!」と期待して訪れると、少しがっかりするかもしれない。
インド旅行で注意すべきこと
日本人がインドでレストランの食事をすると、ほぼ100%の確率でお腹を壊す。これは水道水の衛生環境が悪いためだ。インドの水道水は浄水場のレベルが低い、または水道管が古いため、不純物が多く含まれている。その水で洗われた野菜や食器を口にすると、高確率で下痢になる。そのため、インド旅行には整腸剤の持参が必須である。
インド人はお酒を飲まない?
ヒンドゥー教の教えでは「お酒を飲むと天罰が下る」とされている。そのため、インド人の多くはお酒を飲まない。しかし、その代わりにとても甘いものを好む。
特に人気なのが、ラッシー(甘いヨーグルトドリンク)とチャイ(甘いミルクティー)。チャイはイギリスに輸出できない苦い紅茶を利用して作られており、街中でわずか10ルピー(約18円)ほどで飲める。しかし、砂糖が大量に入っており、1日20杯も飲む人もいる。その結果、インドでは糖尿病が深刻な問題となっており、患者数は約9000万人にのぼる。グラブジャムンと呼ばれるドーナツのシロップ漬けのお菓子があるのだが、これは殺人的に甘い。「世界一甘いお菓子」と呼ばれている。砂糖の爆弾。糖尿病製造爆弾のようである。
インドの詐欺事情
デリー駅周辺には詐欺師が多く、タクシー運転手も要注意だ。ホテルの場所を伝えると、「そのホテルは満室だ!」と嘘をつき、自分に紹介料が入る別のホテルに連れて行こうとするケースが後を絶たない。
また、インド人は「知らない」「分からない」と言うのを嫌うため、たとえ本当に知らなくても適当な情報を教えてくる。例えば道を尋ねると、4人に聞けば4人とも違う方向を指すこともある。これは親切心からの行動だが、旅行者にとっては混乱の元となる。悪気がなく、良いことをしていると思って嘘を親切に教えてくることによって、聞いた方には非常に迷惑になっている。
インドの時間の概念
インド人は時間にルーズで、お店の開店時間はあってないようなもの。鉄道の遅れは日常茶飯事で、6時間遅れは珍しくなく、最長で30時間待たされた例もある。
インドの交通事情 – 世界一危険な道路
インドでは「歩行者優先」という概念がなく、すべてが自己優先。道路は混雑し、交通事故が多発している。その結果、年間の交通事故死者数は約15万人と世界一の多さを誇る。これは、日本の交通事故死者数約3000人と比較すると約5倍も危険な状況である。
インド経済の実態
インドは貧しいイメージが強いが、日本人と同じくらいの給料をもらっている人が約3億人もいる。特に自動車市場では日本のスズキが圧倒的なシェアを誇り、インドの自動車販売台数はすでに日本を超えている。新車が約50万円で購入できることも人気の理由だ。
まとめ – インド旅行はハードルが高い?
ここまでインドの文化や生活を学んできたが、正直なところ私は「もうインドには行かない」と感じる日本人9割側の意見に共感している。もちろん、インドには魅力的な文化や歴史があるが、旅行者にとってはハードルが高い国でもある。
しかし、インドの成長は目覚ましく、今後ますます世界経済の中心となっていくだろう。その動向には引き続き注目していきたい。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から850日目を迎えた。(リンク⇨849日目の記事)』
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