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  • Writer's pictureharuukjp

高架橋の手すりに跨る少年



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活357日目を迎えた。(リンク⇨356日目の記事)


今日も、いつものように車を走らせ、ロンドン中心部からM4の高速道路に乗り、西へと向かっていた。午前9時過ぎの郊外へと向かう自動車は比較的少なく、この時間は渋滞しないのが普通だった。


しかし、M4からM25の高速道路に交わる立体道路に差し掛かる時だった。だんだんと速度が遅くなり、1kmほどの長さで渋滞ができていた。


Googleマップを確認すると赤い線で渋滞の表示になっていた。私は諦めてゆっくりと時速5km程度で車を走らせていた。Googleマップで赤い線が、高架橋の向こう側から青い線に変わっていた。この青い線はその向こうは渋滞がないという知らせである。


高架橋の上で事故が起きているのだと思った。


時速5kmの速さで進みながら近づいてみると、人が5−6人、車の外に出て集まっていた。私は、この高架橋の上で車同士でぶつかって揉めているのだと思った。


しかし、よくみると一人の10代後半と思われる少年が一人だけ、手すりの向こう側に立っていて、その下には私が運転してきたM4の高速道路があり、仕切りなしに車がスピードを上げて走っていた。


その少年はこの高架橋から、そこに飛び込もうとしていたのだ。


家族や友人と思われる人たちが必死の説得を行なっていた。少年には少し微笑みもあり、私が通り過ぎる10秒ほどでは、そんなにすぐに飛び込む様子がないということを察した。


私が止まって渋滞をさらに増やしてはいけないと、車を走らせた。その場は、一緒にいた関係者になんとか説得して少年を飛び降りさせないようにしてほしいと願いながら。


今のところ今日のニュースでは、「高速道路に飛び込んだ少年」といった記事はないので、おそらく事件は解決したようだ。


しかし、もし少年が本当に身を投げ出して亡くなったら、それは悲しいことだ。加えて、その下で人が上から降ってきて、万が一車で引いてしまったら、その運転手も本当にかわいそうだ。自分がM4をまっすぐ行って、しかも、タイミングが合ったらと思うとゾッとした。


(終)


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