
2020年の1月、イギリスはついにEUを離脱した。その瞬間を、私はイギリスを拠点に暮らす一人として目の当たりにした。とはいえ、イギリス人にとってもヨーロッパの国々はある種の「仲間同士」であり、地理的にも心理的にも近い存在だ。日本で言うなら、東京から沖縄や北海道へ行く感覚で、多くの国々にアクセスできる。
例えば、飛行機でほんの2時間も乗れば、東ヨーロッパの国々に辿り着く。ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、スロベニアといった国々が、旅人を待っている。これらの国々に足を踏み入れるたび、私はいつも同じことに驚かされる。土地がつながっているにも関わらず、言葉が全く異なるという点だ。国境を越え、隣の町に行っただけで、まるで別の世界に飛び込んだような気分になる。
この多言語の環境が、彼らの脳に特別な影響を与えているのかもしれない。子供の頃から複数の言語を学び、異なる言語を話すことに違和感を覚えない。実際、チェコやポーランドの若者たちの多くは、問題なく英語を話せる。
今や東ヨーロッパは経済的にも成長を遂げており、そのスピードは西ヨーロッパを凌ぐほどだ。街並みや文化の変化が、数年ごとに訪れる度に感じられる。
私がイギリスに住んでいて特に感じる魅力のひとつは、この近さだ。ほんの少し足を伸ばすだけで、全く異なる文化や歴史に触れられる。これは旅人にとって、きっと尽きることのない魅力なのだろう。ヨーロッパの広がりは、距離にして近くとも、その多様性においては無限に感じられるのだから。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から699日目を迎えた。(リンク⇨698日目の記事)』
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