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髪の話をしよう 半世紀を越えた日常の一考察 どの育毛剤を使おうか 製薬会社に働く人に聞いてみた



半世紀も生きていると、人生には思いがけない変化が訪れるものだ。体力が少しずつ衰えていくのは自然な流れだと理解できるが、それ以上に気になるのが頭髪だ。特に髪の黒いアジア人としては、髪と肌の色のコントラストが強い分、薄毛が目立つ。鏡をのぞき込むたびに、その事実がひしひしと迫ってくる。


一方で、西欧の人々はどうやらこの問題に対して我々ほど切実ではないらしい。髪と肌の色が近いこともあって、少しくらい髪が薄くなっても目立たないし、頭の形もどこか自然にバランスが取れている。そして何より、外見に対してアジア人ほど神経質ではない。これは私が長い間イギリスに暮らしてきて得たささやかな発見の一つだ。


さて、ある日のことだ。製薬会社で働く人と話をする機会があった。こういう機会を逃すのは惜しいので、育毛剤について率直に聞いてみた。「本当に効くのですか?」と。彼の答えは実に明快だった。「新しく髪が生えるわけではありませんが、抜け毛を防ぐ効果はあります。ただし、使い始めたら使い続ける必要があります。辞めると一気に抜けるリスクがありますよ。」彼はさらにこう付け加えた。「それに、副作用を理解してから使うべきです。特に心臓に疾患がある方や、これから子供を作ろうとしている若い世代の方々は要注意です。健康を害してしまっては元も子もありませんから。」


この話を聞きながら、私は頭の中で「健康か髪か」という問いについて考えていた。髪を守りたいという願望は理解できるが、それで健康を犠牲にするのは本末転倒だ。そのバランスをどう取るべきかは、それぞれが慎重に判断すべきなのだろう。


彼が紹介してくれた育毛剤と薬は以下の通りだった。


育毛剤

一般名: ミノキシジル

製品名: リアップ


飲み薬

一般名: フィナステリド

製品名: プロペシア


これらは店頭で手に入る場合もあれば、皮膚科で処方箋をもらう必要がある場合もあるという。そして、繰り返し注意されたのは「副作用を理解した上で使用すること」だった。


私自身、これからこれらの製品にお世話になる日が来るかもしれない。とはいえ、髪だけでなく、健康全体を見据えた上での選択をしていきたいと思う。それが半世紀以上生きてきた自分なりの「人生の知恵」だと信じている。


そして、今はまだ、柔らかな秋の光が差し込む窓辺で、そっとその未来を考えている。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から726 日目を迎えた。(リンク⇨725日目の記事)』


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