
貯金があれば安心できる。それは誰もが知っているシンプルな事実だ。しかし、お金を使わなさすぎる生活というのは、意外なほどメンタルに良くない。それは、心の中にじわじわと蓄積する無色透明のストレスのようなものだ。
もちろん、浪費が良いわけでもない。けれども、ほどよいバランスでお金を使うことが、私たちの精神に安らぎをもたらすのではないかと私は思う。
お金を使う理由
お金を使うことが心に良いとすれば、それは趣味に使うお金だろう。自分が「これが好きだ」と思えることにお金を費やす。それが、人間が日々お金を稼ぐ理由であるべきだし、私たちが幸福を感じる瞬間でもある。
もちろん、貯金が減ることにストレスを感じる人もいるだろう。しかし、「好きなことを、お金をケチって諦めること」の方が、私はより大きなストレスになるのではないかと思う。
だからこそ、趣味を持つことが重要だ。それは単なる娯楽以上に、心のバランスを整えるための大切なツールなのだ。
スポーツという選択肢
私自身、スポーツがそれほど嫌いというわけではない。だから、まずはスポーツを再び始めるのも良いかもしれない。学生時代の部活動以来、真剣に何かに取り組むことから遠ざかっていたけれど、この年齢になって改めて「何か」を始めることには価値があると思う。
野球のような団体競技でなくても、一人で取り組めるものでもいい。テニス、ランニング、あるいはゴルフでもいいだろう。身体を動かすという行為そのものが、心に良い影響を与えることは間違いない。
子どもたちへの教え
貯金がすべてではないと分かっていても、子どもたちには「お金を貯めることの意味」も教えたいと思う。たとえば、複利でお金が増える仕組みや、時間を味方につけたお金の管理術。そんな話をすると、子どもたちは驚くほど前向きに貯金に励むようになる。
そして何年か後、その貯めたお金で何か大きなものを手に入れる喜びを知る。それは「お金を使う楽しさ」と「努力が報われる快感」の両方を味わえる経験になるだろう。
貯金と趣味の両立
結局のところ、貯金と趣味、この二つのバランスをうまく取ることが、幸福な生活への鍵だと思う。お金を稼ぎ、必要な分は貯金しながらも、好きなことにはしっかりとお金を使う。そんな姿を、私は子どもたちに見せていきたい。
お金はただの道具だ。それ自体に価値があるわけではない。大切なのは、それを使って自分の人生をどう彩るかだと思う。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から784日目を迎えた。(リンク⇨783日目の記事)』
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