
私はたまに考える。どうすれば、人は健やかに年を取れるのだろうか、と。
現代の科学は、若々しさを保つ方法をいくつも証明してきた。健康的な食事、適度な運動、ストレスの少ない生活、そして良質な睡眠。まるで一種の公式のように、人々はそれを信じ、実践する。しかし、それだけでは決定的に足りないものがある。
それは、孤独にならないことだ。
人は誰しも、自分だけの世界を持つ。それは大切なことだし、時には孤独こそが自由をもたらすこともある。しかし、あまりに孤独が続けば、人の心は少しずつ乾いていく。だからこそ、コミュニティに属したり、ボランティア活動に参加したりすることが、長く生きる秘訣だと言われるようになったのだろう。
実際、長生きしている人たちを観察すると、彼らは決して独りぼっちではない。常に誰かと連絡を取り合い、誰かが訪ねてくる環境がある。そういう人たちは、ゆっくりと年を重ねてもなお、生き生きとしているように見える。
とはいえ、長生きが必ずしも良いことばかりとは限らない。パートナーはいつかいなくなるし、親しい友人や家族とも、いずれは別れなければならない。歳を重ねるほどに、見送る人の数は増えていく。それは決して楽なことではない。
だからこそ、どう生きるかを考えなければならない。
私は今、他人の犬の散歩をしながら、人を助ける活動をしている。畑を持ちたい人たちが集まるグループにも顔を出す。以前はソフトボールのチームやゴルフ仲間との時間も多かったが、最近は少し減っていた。そろそろ、また増やしていこうかと思う。
何かの一員になることで、自分の居場所を作る。それは、ただ長く生きるためではなく、豊かに生きるために必要なことなのだ。
80歳になっても、90歳になっても、私はそんな風に生きていたいと思う。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から802日目を迎えた。(リンク⇨801日目の記事)』
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