
1月という月は、旅行業界にとって典型的なオフシーズンだ。街の喧騒も少し落ち着き、空港の人々の足取りにもどこか余裕が感じられるようになる。この時期、クリスマス前の高騰した価格が嘘のように、航空チケットの値段は下がり始める。12月のクリスマス時期にはポーランドへの往復チケットが一人500ポンドだったのに、1月になって検索してみると、同じルートがわずか100ポンド前後で手に入るのだ。
ポーランド、特にクラクフは、この季節には特有の静謐さを帯びる。気温は-5度から暖かい日で10度までと変動するが、ロンドンの冬とさほど大きな違いはない。むしろその冷たさが、街並みに一種の神秘的な輝きを与えるようだ。
未知の東ヨーロッパへ
まだポーランドを訪れたことがない人には、この1月こそ絶好の機会と言えるだろう。格安航空券を手に入れて、未知の東ヨーロッパの扉を開く。東ヨーロッパの魅力はその歴史と文化、そして人々の生活に根付いた独自の雰囲気だ。
多くの旅行者は、ロンドンに来ると「せっかくだからもう一カ国」と考え、ユーロスターでフランスへ足を運ぶ。しかし、冬の間はその枠を少し広げ、飛行機を使って東ヨーロッパへと飛んでみるのも悪くない。
たとえばロンドンからポーランドのクラクフまでの往復チケットは、今なら80〜120ポンド程度。チェコのプラハへも100〜120ポンドと、驚くほど手頃な価格だ。
歩いて回る楽しさ
これらの都市はどれもこぢんまりとしていて、徒歩で回るのに適している。石畳の道、古い教会、歴史的な広場。雪が舞う街を歩けば、普段の日常から離れ、どこか別の時間の流れに身を置くような感覚を味わえる。
クラクフでは、ヴァヴェル城や中央市場広場を訪れるだけでも、歴史と美しさに触れることができる。プラハなら、カレル橋から見る夕暮れが一日の締めくくりに最適だ。
インフレの中での発見
インフレが続き、何もかも値上がりしている時代。それでも、こういった格安航空券を利用すれば、まだ手頃に旅を楽しむことができる。旅はお金ではなく、時間の使い方とその心持ちにかかっているのだと思う。
1月の東ヨーロッパは、普段の忙しさを離れて自分の感覚を取り戻すにはちょうど良い。冷たい風に吹かれながら街を歩き、心の中に静かな温かさを取り戻す。それが冬の旅の醍醐味ではないだろうか。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から788日目を迎えた。(リンク⇨787日目の記事)』
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