小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活229日目を迎えた。(リンク⇨228日目の記事)
私が昨年末、解雇されてからイギリスで就職活動を続けているわけだが、去年の12月、今年の1月頃と比べると、履歴書を見て私に連絡をくれる回数が、4、5、6月に向けて少なくなってきたような気がする。
ちょうどチャットGTPが世界的に導入されたのが去年の11月頃。それから各会社は今までに増して履歴書の選考方法でAIを活用するようになった。
書類選考時のAI活用はすでに2019年ごろからすでに使われていたが、ここ最近では世界の優良会社500社の99%がAIによる選考を行なっており、ビジネス全体としても80%以上がAIによる選考を行なっており、4人に3人の履歴書は人間に見てもらえないそうだ。
そんなAIにフィルターかけられずに人間に履歴書を渡して見てもらうためにはある程度のルールを守ってAIが読みやすい履歴書を作成しなければならない。今回はその方法を紹介する。
求職者側としては、AIによる履歴書のスキャンを通過するために、以下の点に気をつける必要がある。
応募する職種や企業に関連するキーワードを適切に使用する
テキスト形式で作成し、画像やグラフィックなどは使用しない
シンプルで見やすいレイアウトにする
読みやすいフォントを使用する
具体的で正確な情報を記載し、皮肉や花言葉などの表現は避ける
明確で分かりやすい職種名を記載する
.docxや.pdfなどの一般的なファイル形式で提出する
実績を文脈や数値とともに記載する
長さは適切な範囲内に収める
それぞれのポイントについて、詳しく説明すると以下のようになる。
応募する職種や企業に関連するキーワードを適切に使用する
- AIによる履歴書のスキャンは、応募する職種や企業が求めるスキルや資格などのキーワードを探して、応募者の適合度を判断する。そのため、応募する職種や企業に関連するキーワードを履歴書やエントリーシートに盛り込むことで、AIに自分の強みや適性をアピールできる。ただし、キーワードを過剰に使用したり、無関係なキーワードを使用したりすると、AIに不自然に見られたり、不適切な人材と判断されたりする可能性があるので注意が必要だ。
履歴書やエントリーシートはテキスト形式で作成し、画像やグラフィックなどは使用しない
- AIによる履歴書のスキャンは、テキスト形式のデータを処理することが得意である。画像やグラフィックなどのデータは、AIが読み取りにくかったり、無視されたりする可能性が高い。そのため、履歴書やエントリーシートにはテキスト形式で必要な情報を記載し、画像やグラフィックなどは使用しない方が良い。また、インフォグラフィックなどの視覚的な表現は、AIではなく人間が見る場合に有効であるので、面接やポートフォリオなどの場で活用すると良いだろう。
履歴書やエントリーシートはシンプルで見やすいレイアウトにする
- AIによる履歴書のスキャンは、複雑なレイアウトや不規則な配置に対応できない場合がある。そのため、履歴書やエントリーシートはシンプルで見やすいレイアウトにすることが重要だ。具体的には、標準的なマージンや見出しを使用し、各セクションを明確に区切る。箇条書きやテーブルなども適切に利用し、情報を整理する。一貫性と視認性を高めることで、AIが正しく情報を抽出できるようにする。
履歴書やエントリーシートは読みやすいフォントを使用する
- AIによる履歴書のスキャンは、読みやすいフォントを使用した方が文字認識率が高くなる。一般的には、セリフ体(Times New Romanなど)やサンセリフ体(Arial, Calibri, Helvetica, Georgiaなど)のフォントがおすすめだ。また、フォントサイズも小さすぎず大きすぎずに調整し、文字間隔も適切に設定する。変わったフォントや装飾的なフォントは避けるべきだ。
履歴書やエントリーシートには具体的で正確な情報を記載し、皮肉や花言葉などの表現は避ける
- AIによる履歴書のスキャンは、具体的で正確な情報を求める。そのため、履歴書やエントリーシートには自分の経歴や実績、志望動機などを具体的に記載する。数値や事実に基づいた情報を提供することで、AIに自分の能力や適性を伝えることができる。一方、皮肉や花言葉などの表現は、AIに理解されにくかったり、誤解されたりする可能性がある。そのため、履歴書やエントリーシートでは避けるべきだ。
履歴書やエントリーシートには明確で分かりやすい職種名を記載する
- AIによる履歴書のスキャンは、職種名によって応募者のスキルや経験を判断する場合がある。そのため、履歴書やエントリーシートには明確で分かりやすい職種名を記載することが重要だ。例えば、「Creative Product Evangelist」という職種名はAIにとっては「Marketing Manager」という職種名よりも理解しにくいかもしれない。応募する職種や企業に合わせて、職種名を調整することで、AIに自分の適性を示すことができる。
履歴書やエントリーシートは.docxや.pdfなどの一般的なファイル形式で提出する
- AIによる履歴書のスキャンは、一般的なファイル形式で提出された履歴書やエントリーシートを読み取ることができる。しかし、一部のAIシステムは特定のファイル形式に対応していない場合がある。そのため、履歴書やエントリーシートは.docxや.pdfなどの一般的なファイル形式で提出することがおすすめだ。また、ファイル名も分かりやすく設定し、応募者の氏名や応募職種などを含めると良いだろう。
履歴書やエントリーシートには実績を文脈や数値とともに記載する
- AIによる履歴書のスキャンは、実績を文脈や数値とともに記載することで、応募者の能力や貢献度を評価する場合がある。そのため、履歴書やエントリーシートには実績を単に列挙するのではなく、文脈や数値とともに記載することが重要だ。例えば、「Increased sales by 20 percent」という実績は、「Implemented a new marketing strategy that increased sales by 20 percent within one quarter」という実績よりもAIに評価されにくいかもしれない。文脈や数値を付け加えることで、自分の実績がどのような背景や効果があったかをAIに伝えることができる。
履歴書やエントリーシートの長さは適切な範囲内に収める
- AIによる履歴書のスキャンは、履歴書やエントリーシートの長さによって応募者の適合度を判断する場合がある。そのため、履歴書やエントリーシートの長さは適切な範囲内に収めることが重要だ。一般的には、履歴書やエントリーシートは1~2ページ程度が目安である。以下のような目安を参考にすると良いだろう。
新卒者やキャリア初期の場合:1ページで300~400語程度
中堅職やマネジメント職の場合:2ページで500~700語程度
エグゼクティブ職や専門職の場合:2ページ以上でも1000語以内
以上、AIによる履歴書のスキャンに対応するためのポイントを詳しく説明した。
応募者は、AIの特性や限界を理解し、適切に対応することで、自分の魅力を最大限にアピールすることができる。
AIによる履歴書のスキャンは、採用活動における革新的な技術だが、その利用には注意が必要。企業側も求職者側も、AIの特性や限界を理解し、適切に活用することで、より良い採用結果を得ることができる。
(終)
〜はる〜
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