マーケットの混乱が続くイギリス。
コロナパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻で、インフレに苦しむイギリス国民を助けようと出したミニではなかったミニ予算案(大型減税)が勃発して、国内の通貨、株、債券が暴落しているイギリス。
ミニ予算案に続いて出てきた策は!?
長期ものの国債を国が買い戻すといった政策。
これは今まで日本、アメリカでも行われていることで、イギリスでも行なっていた。それを今年、インフレ対策のために、アメリカ、イギリスは購入額を減らしてきた(金利の上昇)。
しかし、今回出された策、長期国債を国が買い支えるということは、要するに金利の上昇を抑えて、一般庶民の借金の返済額を増やさないように助けるといった政策である。
国の国債購入は日本やアメリカでは大規模に行われていて、GDP(国内総生産)の額の2.6倍が日本、1.3倍がアメリカの借金の額となっている。ちなみにイギリスは0.9倍程度
日本がGDPの2.6倍も借金をしているにも関わらず、国が破綻しないのは、国が国債を発行して、自ら買っているので、特に外国にお金が逃げるわけでもなく、国の中をぐるぐるとお金が回っているだけだからである。
国が国債を買って金利の上昇を抑え(国債の買い手がいなくて価格が下がると金利は上昇してしまうため)、借金をしている人たちを助けているのである。
イギリスは金利上昇に非常に敏感な国である。なぜなら住宅ローン市場が非常に人気がある。この国では家を買うことで自分を「投資家」とも言えるぐらい家の値段が自動的に上昇していく。ここ30年ではどんなに古くても数年置いて内装を変えて売れば必ずといっていいほど買った時の値段より高く売れる。
住宅価格が自動的に上昇することに目をつけた一般庶民たちは、とにかく年代が若いうちに家を買っておこうと現金を持っていなくても、少ない頭金で無理をしてでも住宅ローンを組もうとする。家を買うことは、就職、結婚の後に必ず来るといっても良いぐらい大人になると人気の行事である。
その住宅ローンの返済額が今、急激に上がろうとしている。昨日のブログで紹介した金利の変化による月々の返済額の変化を参考にしていただくと分かるように、これから期待される金利が2%から6%に上がることで、返済額が5割増になる。
⬇︎月々の返済額の上がりようがえぐい様子を書いた昨日のブログ
⬇︎
2022年前半はインフレを抑えるために金利を上げて、国が今まで買っていた国債の額も減らす(金利上昇圧力)方針で進んでいたのだが、手のひらを返すようにここにきて国が国債を購入するといった方向転換をおこなっている。
とにかく住宅ローン金利を抑えないと我々にとっては経済的大打撃であり、多少の減税があったところで、それもスズメの目に涙で、出費が増え生活費を削らなければいけない、最悪更なる借金というお先真っ暗な現実が待っているのである。
トラス首相は日本に見習って国債購入を実施しているが、以前、彼女は日本の金融緩和がインフレを抑えてうまくコントロールしている(実際は逆。日本はインフレにしたいがために金融緩和を行なっている)と意味不明なことを言っていたので、彼女はお金の流れがわかっているのかが懸念される。
まずは減税で我々の手元に現金が入るものの、これから心配される住宅ローン金利上昇、そして住宅マーケットにかかる圧力で家の値段が15%下落という予想も出て、本当にイギリスはこのままで大丈夫だろうか。
〜はる〜
(終)
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