北アフリカのチュニジアからイタリアのシチリア島方面へ向かってくる違法難民が絶えない。
2014年から難民ボート遭難で亡くなったり行方不明になった人の数は報告されてるだけで17,000人ともいわれる。
今回、話題になっているのが、チュニジアの美容師の女性で、月給1万4000円しか稼げないけど、TikTokのフォロワーはなんと14万人を抱えるインフルエンサー。
その女性が、10人乗り程度のゴムボートで、他の難民と一緒に命がけで海を渡る様子がTikTockに挙げられている。
カメラの向こうは死との境目でもある大海原の海で、ヒップホップを流して踊ったり、ひたすら笑顔でボートの上の様子を撮っていて、それがTikTokで公開されている。
これには、命がけも程がある、そして、人の命をなんだと思っているんだと、厳しく非難されているが、SNSで人気を高めるためには命の危険を冒してでも、撮影を続けようとする人がいる。
「勝手にTikTokに公開されている他の難民がかわいそうだ、ふざけてみんな命がけで海渡ってるんじゃないよ」と言われる気持ちもわかる。
しかし、私は、カメラマンで戦場などに行って危険を冒して撮影したり、餓死寸前の貧困地域に行って、現地の人間の様子を写真に収めたりする行為と、何も変わらないと捉える。
こういったカメラマンは、結局最後は自分の名声のために現地の様子を伝えて世界のみんなをあっと言わせようと思って映像や写真に収めるのであるから、今回の非難されているTikTokインフルエンサーも、ジャーナリズムの観点からは何も変わらないことだと感じた。
この女性は月給が1万4000円で暮らしに困っていて、ヨーロッパへのビザも取れないことを踏まえると、ボート上では口紅を塗って笑顔で映像を撮っているものの、内心は本当に辛くて国を出たかったのかもしれない。
ヨーロッパに入ってからはエッフェル塔に行ったり、飲み会の様子などの写真を挙げたそうで、それがお粗末に見えたかもしれないけど、普通、嬉しくてあげるでしょ?って思った。
真面目にプロがドキュメンタリーをとるか、素人が命がけで、ちょっと悪ふざけも入ってドキュメンタリーをとるかの違いであって、それが非難される問題は、簡単に情報交換ができるこのSNSの世界にあるのだと思う。
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