ある友人の話
彼が1歳の時に両親が離婚、2人の子供を母親が引き取った。
その後、母親はすぐに再婚、継父との生活が始まる。
実父との関係も続き、すくすくと育った。3歳上の兄とともに勉学に励んで優秀な生徒で大学まで卒業する。
その友人が選んだのは言語学。スペイン語と日本語と母国語の英語を話す。日本語を話すお陰でイギリスとは全く違った文化を知ることができ、特に外国人との付き合い方を詳しく学んだ。そして交友的になった。
兄は演劇学を学び、学校の先生になったそうだが、根っからの愛国者で、外国人に対しては拒否反応を起こす。
同じ家庭で育ったのにこうも違うものかと、その友人も驚いているそうだ。
そしてその友人に質問してみた。
私「日本語(外国語)を話すときは性格が変わる?」
友人「うん、優しくなると思う」
と言ったので、少し会話を英語に変えてしばらく話していると、友人の本性がいろいろ見えてきて興味深かかった。今まで日本語で話していた礼儀正しさが一気に消えた。
この瞬間、私は思った。(お兄さんも似たような性格で、少し攻撃的になるのかなあ)と。
いつも日本語だとお人好しに見える友人が、母国語でやや攻撃的な態度になったのを見て、彼は日本語を話すことによって、性格をコントロールしているのではと思った。
お兄さんは外国語は話さないので愛国主義者の性格で、弟とは全く正反対の人格になってしまったのかもしれない。
外国語を話すと全て表現しきれない分、攻撃的発言を止めようとか、やや保守的になり、人間関係がうまくいくこともある。
人間関係を良くするのには保守的になることが全てではないが、広く浅い付き合いには適していると思う。
ここで心配されることは、日本語の彼と英語の彼のギャップを理解できる人間でないと、私生活に問題が出てくるかもしれないということである。
談話室 子役
その彼には妹がいる。そして小さい頃はロンドンの有名劇場で子役で大活躍をしていたそうだ。
その後の経緯は詳しくは聞いていないが、今は地元で学校の先生をやっている。
ミュージカルに行って観る子役は将来が華やかに思われがちだが、そう簡単にはあの世界で生き残っていくのはできないのだなと考えさせられた。
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