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就職氷河期とは? 最悪の世代

Updated: Jun 13, 2022



日本には1990年を過ぎてから「バブル崩壊」や「就職氷河期」、「デフレ」や「失われた30年」といった日本経済を理解するのに一言で表すには便利な言葉が存在する。そして何かと経済が悪化するとその4つの言葉を加えて「〜だから」と理由を作って、仕方がないと自分を慰める。


私も就職氷河期の真っ只中に仕事を探していた人間で、周りでは大学を卒業しても就職が決まっていないものが多かった。そしてこの時期を「最悪の世代」と称する。そしてやっとの思い出就職してみたものの、20年が経って今の状況を再確認すると驚きの事実が。


私より年上の人たちは「バブル世代」と呼ばれる人間で、入社時には良い条件で給与、手当が設定されている。そして年功序列で自動的に昇給する「終身雇用」が保証されている時代で上司に文句言わず従えば定年退職まで問題なく過ごせる。そして退職金と年金も保証されていた。退職時には多額の現金を手にして、その後、老後は亡くなるまで一定額が支給される。


「終身雇用」「年功序列」の背景に、この世代は第二次世界大戦後のスパルタ教育「我慢」「残業」「従順」をモットーに会社に居続ければ昇進ができると信じていた人たちだ。「通勤ラッシュ」を好み、「残業」を好んだ人たちだ。上司に文句も言わず「従順」することで自分の将来を安定へと導こうとしていた。


会社全体がどう改善されていくべきかというよりは、上司に嫌われないようにするにはどうしたら良いのかを毎日考えている。




そしてその「バブル世代」の後に続いて入社してくる「就職氷河期世代」は、「買い手市場」の採用したい企業に対して、就職したい学生の数のほうが多いという状況で就職が決定して、会社側にとって優位となり、不利な給与や手当が設定されても、就職せざるを得なかった。


そして就職氷河期世代は「終身雇用」「年功序列」信者となり、バブル世代のスパルタ教育の格好の餌食となり人海戦術の波に飲み込まれても、何一つ文句を言わずに働く。そして20年が経ち気付いてみると、デフレ、不景気の真っ只中にいて、「終身雇用」「年功序列」が崩壊していた。「非正規社員」「早期退職」「不当な解雇」「不安定な年金」といった安全な将来を夢見て就職してきた我々には不利な形態が襲い始めた。働ける世代がその時代の年金受給者に支払う日本の年金制度では、人口減少問題で、我々の年金が保証されなくなっているのも悩みの種である。


その後、ミレニアル世代(1980ー1995年生まれ)が会社に入ってくる時には、就業形態が完全に変わってしまった。「パワハラ問題」「フレキシブル」「副業」「転職」といった個人の主張を尊重する欧米式に日本の会社がシフトしていく。


バブル世代からスパルタ教育を受けた就職氷河期世代はミレニアル世代に同様に教育することができなくなったのである。厳しくすると何かとパワハラと訴えられ、残業をしたがらないミレニアル世代の仕事を就職氷河期世代が補い、バブル世代に報告するという、まさしく間に挟まれた就職氷河期世代である。




就職氷河期世代の我々はこの2つの世代に挟まった状態を「最悪の世代」と称してお互い慰め合ってる。最悪の時代なりに何かよかったことはあっただろうかと詮索するのである。悲しいことに精神論で育った我々は精神が鍛えられたとしか言いようがなく、それを会社からの給料や手当で証明されることはなく、悲しい結果となっている。メンタルヘルスなんて全く尊重されなかった時代に長期労働時間で精神的に心を病んだ人の数は全く記録されていない。


一つの会社にというよりは、自分の上司に全てを捧げて身を削り、昇進と定年退職のことだけを考えて生きてきたバブル世代と、終身雇用、年功序列を夢見て就職したものの、デフレ、不景気で昇給なし、退職後の年金も不安定の就職氷河期世代、そしてパワハラ問題で上司からの指示は減少し、フレキシブル出勤で会社以外の時間を自分に費やすことができるようになったミレニアル世代、この3世代を比べるとやはり就職氷河期世代は「最悪の世代」となってしまうのである。


〜はる〜


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